提橋和男の新管理人のつぶやき

(2008/09/12)


提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1111_2

プレスリリース Press Release
研究詳細

水素(H2)を高濃度に溶解した水素水の飲用
は脳での活性酸素の増加を抑制する

ポイント
● ヒトやサル、モルモットは体内でビタミンCを合成できない。しかし、マウスをはじめ犬、猫、鳥など多くの動物は自らの体内でビタミンCを合成できる。
● 私たちはビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)を作成し、ビタミンCの不足が脳での活性酸素を増加させることをリアルタイムに脳での活性酸素量を測定する装置を用いて初めて明らかにした。
●また、水素(H2)ガスを飽和状態(0.6mm)まで溶かした水素水(高濃度水素溶解精製水)をビタミンCの不足したマウスに毎日与えることにより、脳での活性酸素の増加を抑制することも初めて明らかにした。
東邦大学薬学部生化学教室石神昭人准教授、高橋良哉教授、佐藤安訓大学院生らと梶山内科クリニック梶山静夫院長、東京都老人総合研究所、京都府立医科大学、神戸薬科大学、アイロム製薬株式会社の共同研究グループは、水素を高濃度に溶解した水素水の飲用がビタミンCの不足による脳での活性酸素の増加を抑制すること世界で初めて明らかにした。
この研究成果は平成20年8月14日にオランダの学術雑誌である「Biochemical and iophysical Research Communications」に速報版として掲載された。
研究の背景
活性酸素は糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの各種疾患や老化の一因であると考えられている。水素ガスは神経細胞からの活性酸素、特に毒性の強い活性酸素であるヒドロキシラジカルの発生を抑制、又は減少させることが2007年、日本医科大学の太田らによりNature Medicine に報告された。
また、最近では水素ガスの吸引は一時的に血流が止まる虚血、再灌流により発生する活性酸素の生成を抑制することも報告されている。しかし、水素ガスを日常的に吸引することは難しい。私たちは水素ガスを高濃度に溶解した水素水(高濃度水素溶解精製水)を開発し、糖尿病患者に毎日900mLを飲用した結果、酸化ストレスマーカーが減少し、軽度糖尿病の改善が見られた。
しかし、水素水が生体内で、どのように活性酸素の増加を抑制するのかその正確なメカニズムは分かっていない。私たちは、今までにビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNL 遺伝子破壊マウス)を作成し、ビタミンCの長期的な不足が老化を促進することを明らかにした。
ビタミンCは水溶性の強力な抗酸化剤である。従って、ビタミンCの不足は体内での活性酸素の増加をもたらすと考えられる。
しかし、動物個体を用いてビタミンC不足による活性酸素の増加を科学的に証明する実験結果は無かった。今回、私たちは、脳での活性酸素の発生をリアルタイムに捉える装置を用いて、ビタミンCの不足が脳での活性酸素を増加させること、又、水素水を飲用することにより脳での活性酸素の増加が抑制されることを世界で初めて科学的に明らかにした。

研究成果の概要
ビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)に@水素(H2)ガスを飽和状態(0.6mm)まで溶かした水素水(高濃度水素溶解精製水)を与えた群、A充分なビタミンCを与えた群、B水のみを与えた群の3群に分け、1ヶ月間飼育した。水素は揮発性が高いため、1日に2回交換した。
1ヵ月後に脳のビタミンC量を測定した結果、@水素水とB水のみを与えた群では脳でのビタミンC量がビタミンCを十分に与えた群に比べて6%以下にまで減少していた。次に、脳での活性酸素の発生をリアルタイムに捉える装置を用いて測定した結果、@水素水を与えた群ではB水のみを与えた群に比べて活性酸素の発生が27%も減少していた。
このように、水素水の飲用はビタミンC不足による活性酸素の増加を抑制してくれた。

発見の意義
ビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)を用いて、水素水(高濃度水素溶解精製水)の飲用がビタミンC不足による脳での活性酸素の増加を抑制することを明らかにした。
私たちの研究結果は水素ガスの吸引だけではなく、水素水(高濃度水素溶解精製水)の飲用によっても脳での活性酸素の増加を抑制することを示している。
活性酸素は糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病やアルツハイマー病など神経変性疾患の原因の1つと考えられている。水素水は、これら疾患を予防する手軽に飲用できる水としてその効果がとても期待される。
本研究は、現在市販されている水素を含有する特定の健康飲料水や健康サプリメントの効果を実証するものでは無い。
純粋に科学的に水素(H2)ガスを飽和状態まで溶かした高濃度水素溶解精製水が脳での活性酸素の増加を抑制することを調べた研究成果である。

【掲載論文の要旨】
水素(H2)は、毒性の強い活性酸素であるヒドロキシラジカルを消去することが神経細胞を用いた実験から明らかになっている。
しかし、水素ガスを飽和状態(0.6mm)まで溶かした精製水(高濃度水素溶解精製水)が生体内で活性酸素を消去できるかは明らかになっていない。
筆者らは、ビタミンCを合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)及び脳での活性酸素の量をリアルタイムに測定できる装置を用いて、水素水の飲用が脳での活性酸素の増加を抑制することを明らかにした。
水素水は、酷い酸化ストレスがかかる条件下で有用な抗酸化物質であると考えられる。
【掲載紙】
この新発見の掲載紙はBiochemical and Biophysical Research Communicationsである。平成20年8月14日に速報版が電子ジャーナルで掲載された。
【掲載論文の英文表題とその和訳】
Hydrogen-rich pure water prevents superoxide formation in brain slices of vitamin C-depleted
SMP30/GNL knockout mice
「高濃度水素溶解精製水はビタミンCが不足したSMP30/GNLノックアウトマウスの脳においてスーパーオキシドの生成を抑制する」

【研究内容の詳細】
酸化ストレスは糖尿病、動脈硬化やアルツハイマー病などの各種疾患や老化と密接な関連がある。
生体は過剰な活性酸素を消去するため、多くの抗酸化酵素や抗酸化物質を備えている。
主要な抗酸化酵素として、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどが挙げられる。また、抗酸化物質として、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが挙げられる。
ビタミンCは、他の臓器に比べて脳では高濃度に存在する。これは、ビタミンCが脳における抗酸化物質としてとても重要であることを示している。
生物は進化の過程で多くの抗酸化防御システムを発達させてきた。しかし、過剰な活性酸素を全て消去できる訳ではない。
水素(H2)ガスは毒性の強い活性酸素であるヒドロキシラジカルを消去することが神経細胞を用いた実験から明らかになった。
また、私たちは水素(H2)ガスを高濃度に溶解した水素水(高濃度水素溶解精製水)を開発し、糖尿病患者に毎日900mLを飲用した結果、酸化ストレスのマーカーが減少し、軽度糖尿病の改善が見られることを明らかにした。
これらの結果は水素水が生体内で抗酸化作用を持つことを示している。しかし、水素水が生体内で活性酸素を本当に消去できるかは明らかではない。
加齢指標タンパク質30(SMP30)は、ラット肝臓より同定された加齢で減少するタンパク質である。
最近、私たちはSMP30がビタミンC合成経路の重要な酵素であるグルコノラクトナーゼ(GNL)であること、SMP30/GNL遺伝子を破壊した(KO)マウスはビタミンCを体内で合成できないことを明らかにした。
従って、SMP30/GNLKOマウスは、体内でビタミンCを合成できないヒトに極めて類似したモデル動物である。
本研究では、水素水の飲用が脳での活性酸素の増加を抑制できるかをSMP30/GNLKOマウス及びリアルタイムに活性酸素(スーパーオキシド)の量を測定できる装置(リアルタイムバイオグラフィー装置)を用いて比較、検討した。
SMP30/GNLKOマウスは、生後30日で離乳後、水素水を与えた群(水素水投与群)、ビタミンC(VC)水を与えた群(VC 投与群)、水のみを与えた群 (水投与群)に分けて1 ヶ月間、飼育した。
水素は揮発性が高いため、飲料水の交換を毎日1日2回行った。体重は全ての群で飼育期間中、順調に増加した。
水素水投与群、VC投与群、水投与群の間で飼育期間中に体重変化は認められなかった。
次に各群の脳でのビタミンC量を測定した。その結果、水素水投与群と水投与群の脳でのビタミンC量は、VC投与群の6%以下にまで減少していた。
脳での活性酸素(スーパーオキシド)の検出には、スーパーオキシドに特異的に反応する化学発光試薬、ルシゲニンを用いた。化学発光量は高感度CCDカメラでリアルタイムに撮影を行い、15分ごとの積算画像を数値化し定量した。
その結果、水素水投与群の化学発光量は水投与群に比べて27%も減少していた(図を参照)
今回、私たちは活性酸素の1つであるスーパーオキシドをリアルタイムに測定できるリアルタイムバイオグラフィー装置を用いて、水素水の飲用が脳での活性酸素の増加を抑制することを初めて科学的に明らかにした。
通常、水素は毒性の強い活性酸素であるヒドロキシラジカルを消去する。
しかし、水素は生体内で過剰な活性酸素が発生するような条件下ではヒドロキシラジカル及びスーパーオキシドの両方を消去する可能性が考えられる。また、水素は容易にミトコンドリア膜を透過できるため、ミトコンドリア内でのスーパーオキシドの生成を直接的に抑制する可能性も考えられる。
今回の研究成果により、水素(H2)ガスを飽和状態(0.6mm)まで溶かした精製水(高濃度水素溶解精製水)の飲用は生体内で過剰なスーパーオキシドの発生を抑制することが明らかになった。
このように、水素水は酷い酸化ストレスがかかる条件下で有効な抗酸化物質であると考えられる。

プレスリリ−ス

【共同研究グループ】
1. 東邦大学薬学部 生化学教室
石神 昭人(准教授) 研究責任者
高橋 良哉(教授)
佐藤 安訓(大学院生)

2. 東京都老人総合研究所
丸山 直記(副所長)
佐々木 徹(研究員)
近藤 嘉高(研究員)
半田 節子(研究助手)
天野 晶子(研究生)

3. 梶山内科クリニック
梶山 静夫(院長)

4. 京都府立医科大学 生体機能制御学教室
中村 直登(教授)
長谷川 剛二(講師)
福井 道明(講師)

5. 神戸薬科大学 病態生化学研究室
太田 光熙(教授)

6. 生体応答情報科学研究所
尾林 博(所長)

7. アイロム製薬株式会社
森 豊隆(代表取締役会長)
藤縄 彦人(取締役)

【問い合わせ先】
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1
東邦大学 薬学部 生化学教室
石神 昭人(いしがみ あきひと)准教授
E-mail : ishigami@phar.toho-u.ac.jp
TEL & FAX:047-472-1536(ダイヤルイン)

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