提橋和男の新管理人のつぶやき

(2008/08/12)


提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1097_3

挑戦、男たちの詩(83-3)

メジャー挑戦の先駆者・野茂が現役引退

 米国の野球ファンを驚かせた野茂英雄投手のトルネード投法=97年、AP
 米国の野球ファンを驚かせた
野茂英雄投手のトルネード投法=97年、AP

米球界へのパイオニアとして一時代を築き、日米通算で201勝を挙げた野茂英雄投手(39)が現役を引退することが17日、分かった。野茂はロイヤルズの一員として今年4月に3年ぶりのメジャー昇格。しかし結果を残せず、同22日に戦力外通告を受けた。その後も獲得に乗り出す他球団がない状況に加え、06年6月に手術を受けた右ひじの状態も万全ではないことから、現役生活にピリオドを打つことを決意した。 【野茂プロフィル&成績】

40歳を目前にした野茂が、ついにユニホームを脱ぐ。89年にドラフト1位で近鉄(当時)に入団。95年にドジャースに移籍し、今や隆盛を誇る日本人メジャーリーガーのパイオニアとして栄光の歴史を築いてきた。しかし年齢的な衰えに加え、06年6月に手術した右ひじの状態も万全ではない。「まだまだやりたい気持ちが強いが、プロ野球選手としてお客さんに見せるパフォーマンスは出せないと思う。同じように思っている球団は多いと思う」。もはやかつてのような高いレベルでのプレーはできない。そんな思いが引退を決意する引き金になった。野茂らしい“美学”だった。

渡米1年目の95年にはオールスター戦に先発し、ナ・リーグ新人王も受賞。史上4人目となるア・ナ両リーグでのノーヒットノーランも達成した。だが、06年6月に右ひじ遊離軟骨除去手術を受けて以降は苦闘続き。07年オフにはベネズエラでのウインターリーグにも参加。今年に入ってロイヤルズとマイナー契約を交わし、4月10日のヤンキース戦で1000日ぶりとなるメジャー登板を果たした。しかし3試合で0勝0敗、防御率18・69の成績で同20日に戦力外通告。その後は他球団でのプレーを模索していたが、手を挙げる球団は日米ともになかった。一時帰国していた野茂は現在、米ロサンゼルスに滞在している。

「トルネード旋風」。海を渡っての野茂の米球界での活躍は、太平洋を挟んで日米で社会現象ともなった。95年、近鉄からは任意引退扱いで渡米。米移籍の方法が整備されていなかった当時は“強行突破”として多くの批判を浴びた。1年目の年俸も当時の最低保障額である10万9000ドル(約1079万円=当時)。そんな中でたぐいまれな力を発揮し「ノモマニア」と呼ばれるファンを熱狂させた。日本人選手の評価も大いに高め、長谷川(エンゼルスなど)やイチロー(マリナーズ)、松井(ヤンキース)、松坂(レッドソックス)…。その後に続いた数多くの選手は、すべて野茂の“恩恵”を受けているといっても過言ではない。

太く、そして長かった野球人生。野茂は納得しての引退かの問いに「そんなことは全然ない。引退する時に悔いのない人生だったという人もいるが、僕の場合は悔いが残る」と話した。豪快なフォームに切れ味抜群のフォーク、寡黙で一本気な人柄…。日本人メジャーリーガーが隆盛を迎えた陰で、パイオニアが静かに現役生活にピリオドを打った。

[ 2008年07月18日 ]

野茂引退「どこも獲ってくれる球団ない」

96年9月、ロッキーズ戦で初めてのノーヒット・ノーランを達成した野茂=ロイター
96年9月、ロッキーズ戦で初めての
ノーヒット・ノーランを達成した野茂=ロイター

【ニューヨーク17日未明(日本時間17日)】大きく腰をひねる独特のトルネード投法で一世を風靡(ふうび)した野茂英雄投手(39)が17日、現役引退を決意した。94年オフに近鉄との契約がこじれ、95年に米大リーグ、ドジャースに移籍。1年目から13勝6敗の成績を残し、2005年までのメジャー11年間で通算123勝を挙げた。今季はロイヤルズでメジャー昇格。3試合で計4回1/3を投げ、10安打9失点で防御率は18.69だった。

ついに野茂が現役引退を決断した。ことし4月にロイヤルズを自由契約となり、日本では楽天、横浜などが興味を示したが、結局は獲得に乗り出す球団はなかった。

「まだまだやりたい気持ちが強いが、プロ野球選手としてお客さんに見せるパフォーマンスは出せないと思う。どこも獲ってくれる球団ない」と自ら区切りをつけた。

野茂は、95年にドジャースに入団、64、65年の村上雅則投手(当時ジャイアンツ)に次いで日本選手として2人目の大リーガーとなった。速球とフォークボールを武器にオールスター戦先発など1年目から大活躍し、熱狂的なファンも生まれ、新人王に選ばれた。

また、ナショナル、アメリカン両リーグでノーヒットノーランを記録する史上4人目の快挙も達成。大リーグ12シーズンで計7球団に所属。日本で78勝46敗、大リーグで123勝109敗の成績を残した。

移籍を何度も繰り返し、その都度、はい上がってきた。一昨年に右ひじを手術。昨年はベネズエラのウインターリーグにも参加した。今年4月5日にメジャーに昇格。だが、8月で40歳となる野茂はかつての球威を取り戻すことはなかった。 同18日のアスレチックス戦。3ランを浴びるとクラブハウスのいすに座り、バスタオルを頭からかぶってうなだれた。その後、ヒルマン監督(前日本ハム監督)から戦力外通告された。

現在は投手6、野手8の計14人の日本選手が在籍する米大リーグ。日本勢の米国進出に、パイオニアとして先鞭(せんべん)をつけたのが野茂だった。

2008.7.18 05:05

今年2月、オープン戦でマウンドに上がった野茂英雄投手=岩下毅撮影 米国の野球ファンを驚かせた野茂英雄投手のトルネード投法=97年、A
今年2月、オープン戦でマウンドに上がった
野茂英雄投手=岩下毅撮影
米国の野球ファンを驚かせた
野茂英雄投手のトルネード投法=97年、A


←「挑戦、男たちの詩(83-2)」に戻る