提橋和男の新管理人のつぶやき

(2008/08/08)


提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1095

挑戦、男たちの詩(82)

ハンセン、北島に敗れたり。

200メ−トル平泳ぎでの五輪出場を逃したハンセン(手前)

北京五輪で男子平泳ぎで日本の北島康介の最大のライバルとなるはずだったブレンダン・ハンセンが五輪米国代表選考会100メートルで優勝したが期待された世界新はおろか優勝タイムは準決勝より0秒69遅い59秒93に終わった。200メートールでは、北島に4秒遅れの4位。この種目での五輪出場権を逃した。
米国人は、何のスポーツにおいても、逆転勝利を挙げるというメンタル面での強さを持っている。しかし、それも過去のことになろうとしているのだろうか。北島の無言の圧力の前に、ハンセンは北京五輪を前に、対北島に完全ギブアップだ。

世界新の期待、ハンセンに重圧
LZR着用 泳ぎバラバラ

[オマハ(米ネブラスカ州)=吉見光次]北京五輪の男子平泳ぎで、北島康介(日本コカ・コーラ)の最大のライバルとなるブレンダン・ハンセンは6月30日、オマハで行われた五輪代表選考会の百メートルで優勝し2大会連続五輪出場を決めた。だが、優勝タイムは準決勝より0秒69遅い59秒93に終わった。
水着は準決勝までと同様、英国・スピード社の「レーザーレーサー(LZR)を着用したが、世界記録を期待する周囲の目がかえって緊張を生み、泳ぎを崩してしまった。会場で視察した競泳日本代表の上野広治監督も「準決勝(59秒24)まで見ると、初の58秒台が出せる可能性があったのだが・・・ここで出せないのがハンセンですね」と分析。その上で、「むしろ先に58秒を出してもらった方が、北島の気持ちに火をつけてくれたかもしれない」と余裕をみせた。

さらに、オマハから1500キロ以上南西に離れたアリゾナ州のフラッグスタッフで合宿をしている代表陣も、生中継のレースをテレビ観戦。北島を指導する平井伯昌コーチは「泳ぎがひどい。タイミングが全然あってない。(今後行われる)二百メートルもだめなんじゃないですか」と酷評した。
ハンセンは「今日の観衆は世界新を望んでいたし、私も出したかった。これは(ゴルフの)全米オープンで優勝パットを決められるか、と求められられているようなもので、タイガー・ウッズは、それが出来る。私もそういう人に学んでいるところ。まあ、五輪を見てください」と総括した。
この発言は自信によるものか、それとも焦りからくる強がりなのか。7月2日(日本時間3日)からの二百メートルで真価が問われそうだ。

=2008.7.2読売新聞=

ハンセン200平 北京逃がす
北島の宿敵 まさかの失速

100メ−トルで優勝し五輪出場を決めたものの、タイムは伸び悩んだハンセン。

米代表選考会
[オマハ(米ネブラスカ州)=吉見光次]競泳の北京五輪米国代表選考会第5日は7月3日、オマハで行われ、男子二百メートル平泳ぎ決勝で、前世界記録保持者のブレンダン・ハンセンが2分11秒37の4位に終わり、この種目での北京五輪出場を逃がした。ハンセンは英スピード社の水着、レーザー・レーサーを着用していた。すでに行われた百メートル平泳ぎでは1位で五輪出場権を獲得している。
二百メートルの優勝はスコット・スパンで2分9秒97。これで同種目では、6月に北島康介(日本コカ・コーラ)が出した世界記録2分7秒51より、自己ベストが2秒以上遅い選手ばかりが五輪に出場することが確定し、北島の五輪連覇の可能性が高まった。

「世界新」の重圧、精神的弱さ露呈
前半を自己ベストのペースで加速したハンセンの泳ぎが、150メートルを過ぎてからおかしくなった。飛ばしすぎたツケが回って失速すると、ゴール直前に両脇から、同じスイミングクラブで練習する後輩二人に抜き去られてしまった。

百、二百メートルとも世界記録保持者だったが、6月に二百メートルの記録を北島に0秒99も更新されてしまい、重圧が増した。今大会も、初日から泳ぐたびに「世界記録はいつでるのか」と何度も聞かれ神経質になっていた。
決勝の前半を、北島の世界新に0秒40差で折り返したのも、世界記録を意識してのものだ。だがこれでペース配分を崩し、後半のスタミナ切れにつながった。準決勝の2分9秒60で泳げば楽々五輪出場を果たせたのだが、タイムを1秒77も落とし、肝心の五輪切符を失ってしまった。

観客席で観戦した競泳日本代表の上野広治監督の分析では、腕のかきが予選、準決勝とも70回だったのに、決勝だけ75回に増加。慌てた印象が鮮明に焼きついた。
「百メートル準決勝で好タイムも出ていたのだから、不調ではなく精神的な弱さでしょう」と指摘した。
「すごくがっかりしたけど、後輩の2人がよく泳いだ。彼らが北島の記録を破ってくれるはずだ」と言うものの、ハンセンの言葉に力はなかった。(吉見光次)


男子二百メートル平泳ぎでハンセンが五輪出場を逃がしたことにより、北島の金メダル争いのライバルは世界中にいなくなったと言える。
北島が6月に出した世界記録は、それまでハンセンが持っていた世界記録を0秒99も塗り替える驚異的なもの。ハンセンが不在の五輪のこの種目では、北島の次に自己ベストが速い選手はリカルド(豪)の2分9秒51となる。
2分9秒台を今年マークした選手がこの日優勝したスパンを含めて5人いるが、いずれも北島の記録より2秒以上離れている。よほど北島の体調が悪くない限り、他の選手より地力は一、二枚上で、問題がない」(上野監督)という実力差だ。

北島を指導する平井伯昌コーチ「ハンセンの体が沈んでいるので、150メートルまでしかもたないと思ってた。康介の世界記録が、ボディーに深々と突き刺さっていたのだと思う。これで練習計画や目標が変わることはないし、マイペースを守れるよう指導していきたい」

=2008.07.04夕刊読売=