提橋和男の新管理人のつぶやき

(2008/07/11)


提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1090

ムエタイ伝説(17)

山本元気ら日本勢3人は全敗=WBCムエタイ
2年越しの想いは届かず。
2年越しの想いは届かず。
山本元気(手前)は宿敵ゲ−オ・フェアテックスに
判定3-0で敗北
2007年09月10日

「World Championship MUAYTHAI〜3階級WBCムエタイ世界タイトル戦〜」が8日(現地時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルス・ノルマンディーカジノ・アウトドアアリーナで開催された。
今大会では、ゲーオ・フェアテックスが持つWBCムエタイ世界スーパー・フェザー級王座に、日本から山本元気(同級6位/全日本スーパーフェザー級1位)が挑戦。また、WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王者決定戦には増田博正(同級10位/全日本キックライト級王者)が出場、WBCムエタイU.S.フェザー級王座には火出丸が出場した。

元気、2年越しの想いを胸に

ゲ−オがこの試合で一番多用したのがこの右の前蹴り。これで元気の前進をことごとく防いでいく・・・
ゲ−オがこの試合で一番多用したのが
この右の前蹴り。これで元気の前進を
ことごとく防いでいく・・・

この2年間、山本元気がことあるごとに口にしていたのがゲーオの名前だ。前回の2005年の7月に後楽園で敗戦を喫して以来、元気はゲーオを一つの目標にして練習に打ち込んできた。そして今回、そのゲーオと戦うチャンスがWBCムエタイという最高の舞台で巡ってきた。
1R、開始早々ゲーオがあいさつ代わりの左ミドル。さらには、初回からヒジも放っていくゲーオ。元気は、ゲーオに対してニヤリと微笑む。
2Rになると、ゲーオが「最も警戒していた」という元気の右がヒット! しかし、ゲーオもテンカオと前蹴りで、距離をつめさせない。さらには、元気のミドルをキャッチして転がす。元気も右を狙っていくが、 ゲーオはしつこいほどの前蹴りの連発で元気を近づけさせない。元気は右のミドルも積極的に蹴っていく。しかし、ゲーオは右、左と前蹴り。
ラスト40秒。元気の右がヒット。しかし、ゲーオはさがりながらも左右のミドルを連発。元気は上下のパンチのコンビネーションを放つも当たらず。
3R、元気がこれまでの距離からさらに踏み込んで、一気に間合いを詰めていく!しかし、ゲーオは前蹴りで対応。さらに、ゲーオの左前蹴りで、元気の顔面がのけ反る。元気のプレッシャーが一瞬弱まるも、再び間合いを詰めていく元気。元気の右ボディからのコンビネーションがヒット。元気が流れをつかめるかと思いきや、元気は右ミドルはスウェーで見切られ、直後にゲーオの左ハイが強襲!バランスを崩される元気。元気の右フックがゲーオの後頭部を巻き込むようにヒット。さらには、元気の左ローキック、右ヒジもヒット。プレッシャーを強める元気だが、ゲーオは前にでてくる元気に左ミドル。このラウンド、全体を通して元気のプレッシャーが強まるが、ゲーオはバックステップしながら、有効打を決めていく。

ゲ−オが最も警戒した、元気の右がヒットする場面も何度か見られたが・・・
ゲ−オが最も警戒した、元気の右が
ヒットする場面も何度か見られたが・・・

4R、前ラウンド同様にプレッシャーをかけていく元気だが、ゲーオは左ハイ、ジャンピング左ハイ、前蹴りを繰り出し、元気に詰めさせない。さらには、元気の蹴り足をキャッチして転がす。しかし、それでも前に出ようとする元気だが、間合いが詰まったところで、ゲーオはすぐに組み付き首相撲。すでに、試合のリズムは完全にゲーオのペースだ。ムエタイお得意の、さがりながら攻撃を決める逃げのスタイルをとる。
5R、開始から間合いを詰める元気は、右ボディ、右ミドルをヒットさせる。しかし、ゲーオも右ミドル、左アッパー、右ローキックと多彩に応戦。このまま乱打戦になるかと思いきや、ゲーオはスグに首相撲で休戦する。「打ち合いは避けていた」というゲーオは、決して打撃戦の流れには持ち込ませない。元気は、ゲーオをロープにまで追い詰めるも、決定打は打ち込めない。逆にゲーオは左ハイ、右フック、左フックを元気に打ち込む。最後もゲーオは前蹴りで元気を詰めさせないまま、試合終了。
ジャッジは、50−47、49−46、50−45でゲーオ。3−0で、元気の敗北となった。

縮まらないムエタイとの距離

試合は、典型的なムエタイvs.日本人の闘いになった。
たしかに、元気は積極的にプレッシャーをかけ続けた。しかし、ゲーオは前進する元気に対して、これでもかと左右の前蹴りで出鼻をくじく。それでもこれまでの元気なら、さらにプレッシャーをかけて前進していたようにも思える。しかし、「相手が警戒しているのがわかった。
パンチでいくとすぐにヒジで斬られてしまうから」と語る元気に、「一番注意していたのは右のパンチ」と語るゲーオ。元気が得たこの2年間での成長は、初めてゲーオと戦った時には感じることの出来なかった、簡単には踏み込むことの出来ない“間合い”として、2人の間に現れた。
「3R以降、相手のタイミングを見て楽に戦えた」というゲーオに対し、「行くタイミングがつかめない」という元気。そこには、間合い同様、簡単には縮まることのないムエタイと日本人トップクラスとの差もあった。
試合後、「これが試合だと言えば試合でしょうが……」と語る佐賀勝人代表(元気所属DEIONジム)は、「リスクを背負ってもいかなければいけなかった。出し切ったかといえば、出し切れていなかった」とも語る。この試合に、元気の持つ可能性の全てが出たように感じる人は少なかった。
ムエタイトップのゲーオと織りなす高次元での駆け引きは、元気に「楽しかった。充実感があった。」とまで言わしめた。しかし、元気が残したその言葉と試合結果には、歴然とした差が残ったのも事実だった。

■「World Championship MUAYTHAI〜3階級WBCムエタイ世界タイトル戦〜」

<WBCムエタイ世界ヘビー級タイトルマッチ 3分5R>
○ロッキー・ロザリオ(アメリカ/10位)
(2R 3分00秒 KO)
●リカルド・ヴァン・デ・ボス(WBCヘビー級インターナショナル王者)

<WBCムエタイ世界スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R>
○ゲーオ・フェアテックス(タイ/王者/ルンピニースタジアム・フェザー級王者)
(5R判定3−0/50−47、49−46、50−45)
●山本元気(DEION GYM/6位/全日本スーパーフェザー級1位)

<WBCムエタイ世界ミドル級タイトルマッチ 3分5R>
○ラムソンクラーム・チューワッタナ(タイ/王者)
(5R判定3−0/50−44、49−46、49−46)
●ヨハン・リンドン(フランス/挑戦者)

<WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王者決定戦 3分5R>
●増田博正(スクランブル渋谷/10位/全日本ライト級王者)
(5R判定1−2/47−48、49−46、45−50)
○エブゲニ・キヒル(アメリカ)

<WBCムエタイU.S.フェザー級タイトルマッチ>
○ロミー・アダンザ(アメリカ)
(5R判定3−0/48−47、48−47、49−46)
●火出丸(クロスポイント吉祥寺)