|
提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1052_3

星野J支える、宮本のボヤキならぬ「小言」
2007/11/09 10:24更新

台湾を破って五輪出場権を獲得し、
胴上げされる宮本慎也主将=3日、台中洲際棒球場(撮影・浅野直哉) |
北京五輪出場を目指す星野ジャパン。個性派集団をまとめる主将は、WBCでも精神的支柱だったヤクルト・宮本だ。若手も目を見張る軽快なプレーと、恩師でもある野村監督のボヤキならぬ「小言」でチームを引っ張る。
日本代表候補は7日、神戸での合同自主トレを打ち上げた。11日に宮崎に再集合して、本格的な強化合宿に入る。
この10日間、チームは日増しに戦闘モードへ前進。星野監督も「宮本キャプテンがいい小言を言ってくれている」と、合宿中に37歳を迎えた主将の働きに満足そうだ。
招集初日、監督から主将を命じられた宮本は、涼しい顔でいきなり手綱を締めた。「WBCのようにはうまくいかないと思う」。初開催のWBCと歴史ある五輪の重みの違い、勝って当然という重圧などに言及した。
6日の練習試合後、社会人相手に9−0で快勝して意気上がるナインをよそに、「まだ雰囲気はオールスター。笑い声もあった。実際はそんな感じで試合はできない」と苦言を呈した。
マスコミを介して選手にもの申し、発奮させる手法は、恩師である楽天・野村監督も得意とするところ。宮本も打撃が不得手なころ、ノムさんに専守防衛の「自衛隊や」とぼやかれたクチだ。
一方で献身と気配りを絶やさない。選手の背番号は基本的に所属チームのものと一緒で、重なった場合は先輩優先だが、宮本は「6」を年下の中日・井端に譲り、自らは「36」を選んだ。練習ではトスバッティングをする選手のためにボールを上げてやり居残り特打に付き合って打撃投手まで買って出る。練習試合では一塁コーチャーにも立った。
とはいえ、宮本は監督でもコーチでもなく、あくまで候補の一選手。小言を言う分、自身のプレーに対する責任も増す。両ふくらはぎに不安を抱えるため、他の選手より一足早く宿舎を出て、球場で入念に準備。きびきびとした動きで、練習中の空気を引き締めた。
その姿勢に星野監督も「若い選手も『宮本先輩』という意識がある。あの年齢であれだけのスローイングや走塁ができる、大したものだとね」と感服。こんなキャプテンがいれば、監督自らカミナリを落とすまでもない?
選手まとめた主将・宮本が独占手記「戦争のつもりで戦った」
12/04 07:58更新
胴上げは「やめてくれ」といったんだけどね。今は何も考えられない。ただ、ホッとしている。

インタビューにこたえる宮本慎也選手 |
ミスが出た1戦目(フィリピン戦)が薬になった。すぐに選手宿舎でミーティングを開いて「必死にやったか、お前ら」と再確認した。2戦目の韓国戦が終わった直後には「燃え尽き症候群になってはダメ」と星野監督が言ってくれて、チームが引き締まった。
国と国との勝負。表現は悪いけど「戦争」のつもりで戦った。今回は04年アテネ五輪の経験者、昨年のWBC経験者がいたことが大きかった。選手が即席のチームでまとまるのは難しいから…。
実は宮崎合宿中に選手だけでミーティングを開いた。「野球界のためと思えば、わかりやすく日の丸を背負える。プロ、アマを含めて日本野球界のためにやろう。今まで自分のためにやっていたことが多いと思う。でも、今回ぐらいは人のために、自分以外のためにやっていいんじゃないか」と言った。
候補に入りながら登録メンバーから外れた選手には特別な思いがある。けがで辞退した高橋由と小笠原(ともに巨人)には直前に電話をもらった。多村(ソフトバンク)からはリストバンドをもらって、今もかばんにつけている。一緒にユニホームを着て練習した仲間の思いは台湾に持ってきたつもりだ。
五輪はWBCと違って、もともとアマチュアの大会。アマ一筋で五輪に3度出場した同志社大の先輩の杉浦正則さん(39歳、現日本生命監督)を見ているので、夢を奪ったという気持ちは強い。だから恥ずべき行動を慎み、身なりを含めて、みんなが納得できる試合をやらないと失礼だと思っていた。
杉浦さんと神戸で話をしたとき「緊張感をもてるようなチームにしろ。自分が思ったことは口に出さないとアカン。言わずして後悔するんだったら言え」とアドバイスしてくれた。
台湾では外出禁止。みんなストレスを感じたと思う。でも、宿舎内の食事会場や部屋で会話をする機会が増えた。星野監督も「10日ぐらい我慢しろ」と。古い考えだけど何か我慢したらいいことあるんじゃないか、と思った。
試合では攻撃時は一塁ベースコーチ、守備の時はベンチの中で首脳陣と並んで立った。今大会は選手が不安なくプレーできるようにする仕事が含まれていると感じた。コーチ経験もない。難しかった。他の選手はどう思っているのか。「あいつ選手のくせして」と思っている可能性もある。
チーム内で浮く可能性もあったけど、勝つためにしないといけない。普段の行動でもスキを見せないように気をつけた。野球のときだけえらそうにしていると思われるかもしれないから。
野球が五輪種目として最後になるかもしれない北京。次につながる重要な大会だと思ってやってきた。五輪種目として復活するためにできることは、五輪の野球を盛り上げること。公開競技だったロスで最初に金をとって、最後も日本が金メダルを必ずとる。(日本代表主将、東京ヤクルトスワローズ内野手)
星野ジャパン主将・宮本慎也「北京で胴上げを」
01/01 00:02
時には厳しく、時には優しく。昨年12月にアジア予選(台湾)で韓国、台湾などを撃破し、北京五輪切符を手にした星野ジャパンにあって、チームを陰でまとめたのが主将である宮本慎也内野手(37)=ヤクルト=だ。アテネ大会でもキャプテンを全うした宮本は産経新聞の単独インタビューで日本のチームの特徴について「パワーではかなわないが、細かいプレーでは日本が優れている」と強調。野球が競技として行われるのは北京五輪が最後の可能性があるだけに、「悲願の金」獲得に力を込めた。(佐藤正弘)
最終メンバーは6月末の発表。「まだ決まったわけではない」と言葉を選ぶが、宮本の五輪に傾ける思いは強い。「アテネ五輪を思いだすと今でもグッとくる。本当にいいチームで。3位決定戦が終わって、もう、こいつらと一緒に戦うこともないと思うと泣けて…」。濃密な記憶は色あせていない。
初のオールプロで五輪に臨んだ日本は、準決勝で豪州に屈し、頂点に届かなかった。「全勝で金メダル」を望む周囲の過剰な期待が、強迫観念となり、極限の緊張ともに体力を消耗させた。
「冷静に考えれば、決勝まで負けなしの9連勝なんて無理な話だった。(キャプテンとして)みんなを追いつめた自分に、よくついてきてくれたと思う。日本が予選リーグで対キューバ五輪初白星を挙げた後、キューバの監督が『大切なのは(準決勝に進める)ベスト4に入ることだ』と言っていた。終わってみて意味がわかった。予選を1位で通過したけど、1位も4位もいっしょ。戦い方があると感じた」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、韓国に2敗しながら世界一の座に就いた。「アテネは7勝2敗で銅。大会は違うけど、WBCは5勝3敗で世界一。北京では、まずベスト4入りに最善を尽くし、そこから準決、決勝の連勝に最善を尽くす。予選でアテネほどの重圧を抱え込まなくてもいい」。切なくも苦い記憶から得た教訓だった。
アテネの主力選手が次々に米大リーグへ移籍し、戦力の低下が指摘される。すでに出場を決めた米国、キューバに加え、手ごわい豪州や韓国が世界最終予選を勝ち上がってくると予想される。前回大会以上にタフな戦いとなりそうだが、日本の力を出し切れば勝てるとの確信がある。「松坂(レッドソックス)がいなくてもダルビッシュ(日本ハム)がいる。黒田(ドジャース)の代わりは川上(中日)。城島(マリナース)の後には阿部(巨人)、里崎(ロッテ)がいる。パワーではかなわない国もあるが、細かいプレーは日本の方が優れている」
台湾での予選から帰国後、星野監督の胴上げ映像を見て、「金」への決意を新たにした。「あんなに気持ちいい胴上げは久しぶりだ、と人から言われて。最近の胴上げは、カメラを意識して外を向く選手がいっぱいいるものだけど、全員が星野監督の方を向いていた。本当に心がひとつだったと実感できた。五輪野球は北京が最後の可能性がある。アマチュアを含めた日本球界の悲願を達成して、復活への第一歩にしたい。もう一度あの胴上げがしたい」。野球熱が高く、薬物問題に潔白な日本が金メダルを獲得すれば、復活の架け橋になりえる。
宮本は予選で長嶋茂雄前監督の背番号「3」と自身の「6」をあわせた「36」を背負った。「野球界の伝道師たれ」の言葉と、4年越しのミッションを胸に北京五輪に挑む。
=サンケイスポーツ=
|