提橋和男の新管理人のつぶやき
(2008/02/21)

提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1052

星野JAPANのロゴマーク

星野ジャパンの闘い。北京への道

星野JAPAN集合写真

先発した成瀬投手
先発した成瀬投手
コ・ヨンミンが先制ホームラン
コ・ヨンミンが先制ホームラン
ヨッシャ! 二回に勝ち越し、雄たけびをあげる星野監督(共同)
ヨッシャ! 二回に勝ち越し、
雄たけびをあげる星野監督(共同)
2番手で登板した川上投手
2番手で登板した川上投手
韓国戦の8回、貴重なタイムリーを放った稲葉は拳を突き上げて喜びを表した。
韓国戦の8回、貴重なタイムリーを
放った稲葉は拳を突き上げて喜びを表した。
12月2日、北京オリンピック出場を賭けた2007年アジア選手権決勝リーグ、日本対韓国戦をTVで見た。TVで野球を見ることは滅多にないが、仕事を切り上げてマンガ喫茶で見た。凄い試合を見せてもらった。緊張感漂う手に汗握る熱戦のあっという間の4時間3分。息詰まる熱戦を活字で伝えることは難しい。生(?)の試合を見て本当に良かったと思った。
先発はロッテの成瀬。ブルペンで緊張している様子がヒシヒシと伝わってくる。大野コーチがしきりと声をかけて緊張をほぐそうとしているが、成瀬の顔は顔面蒼白に見えた。(私は内心、初回大量失点のKOかもと思った)
成瀬は今シーズン16勝1敗。唯一の敗戦は交流戦でのものでパ・リーグのチームには負けていない。だが、クライマックス・シリーズで日本ハムにKO負けしている。これが今シーズン最後の登板だから、今日の試合はそれ以来となる。KO負けのイメージを引きずっていないか不安であった。
先頭バッターはDHの鄭根宇を三振に取るが成瀬の緊張が取れた様子はない。2番高永民によもやの先制ホ−ムランを喰らう。このままバタバタと崩れて大量失点につながるかと心配したが後続を断って立ち直った。
日本は2回に逆転して2−1としたが、ここからは1点を争う緊張した試合展開。
成瀬が4回途中で2点目を失うと、星野監督は中日のエース川上を投入。川上は4回のピンチをしのいだが、5回には2死一、二塁。6回にも2死一、二塁のピンチを招く。川上をもってしても韓国打線を抑えきれない。星野監督はここで岩瀬を投入。岩瀬は満塁のピンチを迎え、あわや逆転のピンチとするがここを抑えてガッツポーズ。シーズン中は1イニングスしか投げない岩瀬だが、7回、8回と続投。一方打線は8回表にようやく1点を加点。4−2としてリードを2点差に広げたが、8回裏、岩瀬が韓国打線につかまる。1点を返されてなお2死一、三塁。ブルペンでは藤川と上原が投球練習をしている。ここは藤川の登板かと思われた。藤川もブルペンで「ここは俺の出番」とばかりにアピールする。ベンチから宮本主将が大きなジェスチャーでそれを制した。そして2回、大きく胸の前で十字を切った。
これは後で分かった事だが、ベンチは延長戦を覚悟し、藤川は10回から・・というサインだったようである。それほどヒタヒタと押し寄せる韓国の攻撃力には迫力があり、ベンチに恐怖心を抱かせた。岩瀬がなんとかこのピンチをしのぎ1点差で迎えた9回裏、上原がパーフェクトに抑え、熱戦にピリウドを打った。

試合後の感想は、アジア予選でこれだけ苦労するのだから、北京ではもっと大変な死闘になるだろうということだ。金メダルへの道は大変険しい。
それにしても、コレだけの激闘を戦い抜いた選手たちのパワーは素晴らしい。ペナントレースや日本シリーズでは経験できない一戦必勝のプレッシャアーを乗り切った体験は精神力を含めて彼らの大きな糧となり、それは日本野球のレベルアップへと繋がる。

星野ジャパンが大一番で見せた“日本の野球”

五輪切符を懸けた決戦

 夜空に放たれた白球が、一塁側スタンドの上にあるナイター照明でより白さを増した。打球の行方を確認した上原が両手を挙げてガッツポーズ。放物線を描いたボールは、新井貴浩のファーストミットに収まった。22時07分(日本時間23時07分)、北京五輪の切符を懸けた大一番は日本に軍配が上がった。4時間2分の長丁場となった決戦は、日本が4得点、韓国は3得点。乱打戦ではなかったが、日本は投手4人、韓国は投手6人をつぎ込んだ。1点を取るために、そして1点を守るために、必死の攻防を繰り広げた。
「これがお手本だ、という日本の野球を見せて、五輪の切符を勝ち取る」
  星野仙一監督がたびたび口にしていた言葉だ。つないで、つないで勝つ――。「この試合に懸けていた」と選手の誰もが口にした韓国戦で、日本の野球をしっかりと見せることができた。

闘将のゲキに応え、つながった打線

 3対2と1点リードの8回。前日の台湾戦のように、1発で試合をひっくり返すことのできる韓国に対して、少しでも突き放しておきたい場面だった。ベンチ前では円陣が組まれ、星野仙一監督の「死に物狂いで点を取れ」というゲキが飛ぶ。すると、先頭打者の阿部慎之助がセンターへの二塁打で出塁。ここで代走・荒木雅博を送る。スタメンで出る力がありながらも、チーム事情でベンチスタートとなった荒木。俊足を生かす、ここ一番での出番だ。続く村田修一の代打には、井端弘和がコールされる。前日の試合で左ふくらはぎに死球を受け、この試合ではスタメンを外れていた井端。やることはただひとつ。1ボールからの2球目、バントをきっちりと決めて、荒木を三塁へ送った。スタッフに担がれて球場を出たほどの死球の代償は大きく、一塁へ全力疾走ができない。しかし、井端はこの試合の重要性を心得ているからこそ、痛む体を押して自分の仕事をやり遂げた。

 1死三塁、おぜん立ては整った。稲葉篤紀が内角に甘く入ってきたスライダーを引っ張ると、打球は一、二塁間を抜けていった。「無我夢中だった」という稲葉は、一塁ベンチで喜ぶ日本ナインに拳を突き上げながら一塁へ向かうほど興奮していた。3回以降、韓国の小刻みな継投の前に無得点だった日本に、貴重な追加点をもたらした。また、8回裏に韓国が再び1点差まで追い上げたことを考えると、試合を決める大きな大きな1点となった。

ハプニングにも動じず、全員が役割を果たす

 口火を切った阿部は追い込まれた後、変則左腕・柳沢鉉の100キロ台のカーブを3球続けてファウル。稲葉も145キロを超えるストレートと、130キロ台前半のスライダーで緩急をつけるサウスポー権奕に対して、フルカウントから4球連続ファウルで粘った。自分で決めようと大きな当たりを狙うのではなく、何としてもバットにボールを当てて後ろにつなげようとコンパクトなスイングを心掛けたことが、貴重な追加点を生んだ。田淵幸一打撃コーチも、「これが本当の点の取り方。つなげて勝った試合だ」と笑顔で8回の攻撃を振り返った。

「重たい勝利だった。この試合に懸けていた」とは、試合後の星野監督。確かに、プレーボールの直後から大変な試合だった。1時間前のスターティングメンバーが、始まってみればまったく違うオーダーに代わっていた。先発投手は右腕・柳済国から左腕・田炳浩に変更。当初はダルビッシュ有を先発に予想していたかのような1番・李鍾旭、2番・李大炯(ともに左打ち)のオーダーが、左腕・成瀬善久対策としか言いようがないほど、右打者をずらりと並べた打線に組み替えられていた。試合前に行う監督同士のオーダー交換が最終決定だが、11月30日に行われた監督会議では、ルールとして明文化はされていないものの「メンバー提出は1時間前」との紳士協定を結んだという。それを韓国が破る形となったが、日の丸の重みを背負っている選手たちは動じなかった。川上憲伸を中継ぎに起用するなど、成瀬、川上、岩瀬仁紀、上原と投手をつなぎ、10安打のうち長打は二塁打2本と打線もつないで4得点。誰もが自分たちの役割を果たした白星に、「これが日本の野球」と指揮官は胸を張った。

<text by 竹内英之>
=スポーツナビ07年12月2日=

エッ、スタメン全然違う!星野監督、韓国の“奇襲作戦”に激怒

(北京五輪アジア予選決勝リーグ、韓国3−4日本、日本2勝、2日、台湾・台中)試合後の公式会見でマイクを持つ手が震えた。星野監督の怒りに火をつけたのは、韓国のおきて破りの“奇襲作戦”だった。

 「プレーボールと同時にビックリしました。(試合の)1時間前に渡されたスターティングメンバーと全然違う。監督会議で決めたのに、なぜ、こうなるのか疑問に思っています」

 日本側に渡されたメンバー表にある韓国先発は右腕・柳済国。しかしマウンドには左腕の田炳浩がいる。抗議しても覆らない。紳士協定を破る“禁じ手”に「絶対に負けられへんと思った」。それは、チーム全員の気持ちだった。

 一回に先発・成瀬(ロッテ)が1点を失ったが、二回に逆転すると川上、岩瀬(ともに中日)とつないで、九回は上原(巨人)で締めた。「試合中、血圧が上がる」と体調不良を理由に03年、阪神監督を退任した指揮官。過酷な死闘を制し「もう、嫌だね。こんな試合は」と大きく息をついた。

 3日の台湾戦に勝てば、五輪切符が手に入る。「(北京行きを)決める試合をダルビッシュでいくのは、決めていた。いい投球を期待している」。21歳の右腕に託し、北京へと突き進む。

韓国 vs. 日本

イニング詳細    12月2日(日) 19:00/台中インターコンチネンタル球場
スターティングメンバー

日      本

1 二 西岡

2 遊 川崎

3 中 青木

4 一 新井

5 捕 阿部

6 DH 村田

7 右 稲葉

8 左 大村

9 三 森野

星野ジャパン、激戦制し北京へ前進!

 
日本
韓国

勝:川上  負:田炳浩  S:上原

日本: 成瀬、川上、岩瀬、上原

韓国: 田炳浩、張●三(●はサンズイに亘)

        韓基周、柳沢鉉、権奕、鄭大●(●は火ヘンに玄)

本塁打: 高永民1号

韓      国

1 DH 鄭根宇

2 二 高永民

3 中 李宅根

4 三 金東柱

5 一 李大浩

6 遊 朴鎮萬

7 左 李鍾旭

8 捕 趙寅成

9 右 閔炳憲

星野ジャパン、辛勝で望みつなぐ! 野球の北京五輪予選を兼ねたアジア選手権決勝リーグ・韓国vs.日本が2日、台湾・台中インターコンチネンタル球場で行われ、星野仙一監督率いる野球日本代表が4対3で韓国を下した。

 日本にとって、絶対に負けられない大一番。試合開始直前には先発投手を含めた韓国側のスタメンが急きょ変更になるハプニングもあったが、日本は動じることなく踏ん張り続けた。1点を追う2回、大村のタイムリーで同点に追いつくと、森野の打球がタイムリーエラーを誘い勝ち越しに成功。3回には好調の阿部がタイムリーを放ち、リードを2点とした。その後は、ランナーを出しながらも追加点が取れず苦しんだ日本だったが、8回には稲葉のタイムリーが重い空気を一掃した。

 投手陣では、重要な一戦に抜てきされた先発・成瀬を4回途中2失点で降板させ、早め早めの継投策で逃げ切った。2番手・川上は一打同点のピンチをしのぐと、5回にも2死一、二塁の場面を無失点で切り抜けた。6回には2死一、二塁として3番手・岩瀬にスイッチ。自ら満塁にまでしたものの、あわや逆転の場面を抑えガッツポーズを見せた。8回には1点差に詰め寄られ、なおも2死一、三塁のピンチを迎えたが得点を与えず。最後は上原が1イニングをパーフェクトに抑え、リードを守り切った。

 一方、勝てば大会規定により、3日の試合を待たずに1位通過が決まる韓国だったが、わずかに一歩及ばなかった。先制したものの、2回に逆転されてからは同点のホームすら遠かった。また、6投手を小刻みなリレーでつないだが、日本打線を封じ切ることができなかった。

2回表逆転タイムリーを放った森野選手
2回表逆転タイムリーを放った森野選手
3番手で登板した岩瀬選手
3番手で登板した岩瀬選手
7回表、二塁への帰塁でヘッドスライディングをする新井(3日、台湾)

ジャパンの守護神はオレだ!無敗男・上原が韓国シャットアウト

鈍い打球音が響いた。その瞬間、早くも上原は両腕を夜空に突き上げ、歓喜のジャンプを繰り返した。

 「あ〜終わった。異様な雰囲気でした。でも、甲子園(の阪神戦)で慣れていることは大きい。(ガッツポーズは)興奮しました。シーズンとは別の戦いですから」

 負ければ、この大会での五輪出場権獲得が消える大事な一戦。出番は1点リードの九回に回ってきた。体が震えるようなプレッシャーも、ここまで国際大会21戦無敗の守護神には快感だ。先頭の張盛好を二飛、続く高永民を空振りの三振、最後は李宅根を一飛。わずか12球で締めた。

「大した男や」。星野監督(左)もジャパンの守護神を絶賛した(撮影・浅野直哉)

決勝タイムリーを放ちガッツポーズの稲葉選手
決勝タイムリーを放ちガッツポーズの稲葉選手
「大した男や」。星野監督(左)もジャパンの守護神を絶賛した(撮影・浅野直哉)
「大した男や」。星野監督(左)もジャパンの守護神を絶賛した(撮影・浅野直哉)
上原が九回を3人でピシャリ。国際試合の無敗記録を22試合に伸ばした(撮影・浅野直哉)
上原が九回を3人でピシャリ。国際試合の無敗記録を22試合に伸ばした(撮影・浅野直哉)

韓国のしたたかな戦術で始まった決戦。試合前に交換した先発オーダーを急きょ差し替えた。投手が右の柳済国から左の田炳浩となったほか、打順も右投手用から左の成瀬攻略用に組み替えられ、変更がなかったのは3人だけ。右のダルビッシュ、川上か、左の成瀬か読み切れなかった末の策だった。

 「大きな会議(11月30日の監督会議)で紳士協定を結んでいたのに、なぜこうなるか疑問。出てきたメンバーが違った」。プレーボール直前、球審のもとへ確認に走った星野監督も声を荒らげた。厳密にはルール違反ではないが、メンバー提出は「プレーボールの1時間前」と監督会議で紳士協定を結んでいた。“違約”による奇襲。これが国際大会の洗礼だ。

 負けられない戦いがさらに熱くなる。星野監督から投手キャプテンに指名された上原は大会前、国際大会12勝無敗の経験をダルビッシュや成瀬に伝えた。2度の投手会で結束も固めた。

 「9番目の投手と10番目の投手の差はなんですか?」。主将の宮本に相談したときの言葉だ。投手は最終候補メンバーの14人が最後は9人に絞り込まれた。きずなを深めることに奔走してきた上原にとって、仲間の離脱は耐えられない現実。相談された宮本は「本戦(五輪)がある。そこで頑張ろうという気持ちにすることが大事」とアドバイスしたという。そんな中で韓国の奇襲作戦が展開された。怒声はあげない。ピッチングですべてを“無”にしてやる。気合をボールに込めて思いきり右腕を振った。

 「必ず勝てると信じていた。上原は大した男だよ」。星野監督も国際大会22戦無敗の守護神を絶賛した。

 上原がいる限り日本は負けない。3日の台湾戦もスタンバイ。不敗神話とともに五輪キップをその手につかむ。

→夢の北京へ ひとつになった星野ジャパン