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提橋和男の新☆管理人のつぶやき 975
今も湿地潤す水車
汚染の川、野鳥の生息地に・市川の行徳鳥獣保護区
20年前、故宇井純さん助言で導入
水俣病など公害研究の第一人者として知られ、11日(06年11月11日)に74歳で他界した沖縄大名誉教授・宇井純さんの助言により導入された水質浄化のための水車が、市川市の行徳鳥獣保護区(56ヘクタール)で今も稼働している。野鳥の生息する湿地をきれいな水で潤しており、保護区で環境保全活動に取り組むNPO「行徳野鳥観察舎の会」では「このような野鳥の生息地が実現したのも宇井先生のおかげ」と、改めて宇井さんの業績をたたえている。
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宇井さんの助言で導入され、水質の浄化に威力を発揮
している=市川市・行徳鳥獣保護区の水車 |
宇井さんゆかりの水車は、雑排水をくみ上げる排水機場や保護区内の池などに計6台が設置されてる。プロペラを勢いよく回転させて空気を送り込み、水中の酸素濃度を高める仕組み。それによって汚れを栄養分とするバクテイアが増えて有機物が分解され、さらにバクテリアを食べる魚、魚を食べる鳥−という食物連鎖がよみがえって川や湿地帯の自然浄化が進むという。
水車が初めて設置されたは1986年。湿地の回復に取り組んでいた「友の会」の蓮尾純子さん(58)が前年、東京湾上で開かれたシンポジウムで「保護区を流れる丸浜川は汚染のため水源にならない」と地域の悩みを報告したのがきっかけだった。これに対して出席者の一人だった宇井さんが「汚れも生物にとって栄養分」とアドバイス、すぐに現地に駆けつけて水車の設置を指導したという。
「友の会」はその後、水車の利用計画をまとめトヨタ財団が主催するコンクールに応募、その助成金で、プロペラが毎分103回転する特注の水車(長さ3.4メートル、重さ152キロ)1機を異臭を放っていた丸浜川に設置した。
すると、「1、2か月後に最初の生物としてユスリカ(アカムシ)が確認され、翌年の冬にはカモが餌をとるようになった」と、友の会の東良一理事長(52)は著書「NPO実践講座2」の中で報告している。
同会ではその後、水車の数を増やすとともに周囲に植樹も植え、さらに池や湿地帯を造成、現在では249種の野鳥の姿が見られるまでになった。
東京都内で16日(06年11月16日)に行われた告別式に参列した蓮尾さんは「あの水車の設置は湿地回復の第一歩でした」と振り返る。また通夜に出席した東理事長は「宇井先生の指導が活動の自信と安心感を与えてくれた」と、在りし日をしのんでいる。
=06年11月25日・読売新聞=
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環境問題を考えるとき、宇井純さんの「湿地を潤す水車」は素晴らしい成果を上げている。では、日本の同じような湿地に宇井純さんの「湿地を潤す水車」が普及しているかというと寡聞にして聞かない。
私がかつて勤務していた三菱樹脂も琵琶湖の汚染解決のために「ビオパックシステム」という浄化システムを開発し設置した。バクテイアを利用して河川の汚れた水を奇麗にし琵琶湖に流入させるシステムである。薬剤や化学物質は一切使用しないので環境にやさしいシステムであった。
三菱樹脂の長浜工場は、琵琶湖のほとりにある長浜市にある。当然琵琶湖の環境を考えれば工場廃水にも気を使う。そのような環境から「ピオパックシステム」が開発されたのかもしれない。ちなみに、長浜工場内の排水路には鯉が泳いでいる。工場の排水がいかに奇麗かということが目で見てわかるようにである。
また、市役所には水質のデータがリアルタイムに表示され、市民は、長浜工場の排水の状態をいつでも知ることができる。しかし、三菱樹脂一社の努力では琵琶湖は奇麗にならない。
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| 長浜工場排水溝に琵琶湖から鮎が上ってきます。 |
琵琶湖は大坂の水瓶であるが水質汚染が激しく進んでいる。周辺河川から家庭の汚れた雑排水が流れ込んだ結果である。最大の汚染原因は合成洗剤。このため琵琶湖の環境を守るために環境にやさしい洗剤「びわこ洗剤」が開発され周辺住民の利用が進んだ。結果、琵琶湖の水質が良いほうに改善されるという効果が表われたが、また元に戻ってしまった。「びわこ洗剤」は割高だったために住民が合成洗剤に乗り換えてしまったためである。三菱樹脂の「ビオパックシステム」は環境庁の賞をいただいた。しかし、普及はしなかった。「湿地を潤す水車」と同じように…。環境問題は大切だが、改めて予算をとって設置しようという動きは自治体をはじめ起こらなかった。同じ予算を使うなら他に…ということなのか、河川や琵琶湖の汚れは仕方ないじゃないかということなのか…。ともかく、この例に漏れず、良いと思われるものが普及しない例は多い。
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| 琵琶湖とコハクチョウ |
水の業界も同じである。炭酸飲料や訳のわからない水は売れているが、「健康に良い」といわれて久しい電解還元水への関心はとても低い。
人間というのは不思議な生き物である。地球温暖化の原因、温暖化がもたらす地球環境破壊と人類(地球上の生物)の危機の因果関係が分かっていながら、それを改めて地球温暖化を防ごうという動きも寡聞にして聞かない。例えば車の排ガスが温暖化の一因だから、「車に乗るのはやめた!」という奇特な人はごく希にしかいないだろう。誰かがやってくれる、国がやってくれる、と皆があなた任せである。
国と国とのエゴもある。例えば中国が今後も経済発展のために化石燃料の消費を続けたら、地球環境上は大変なことになる。しかし、中国は自国の利益のために「何も中国だけが化石燃料の使用を自粛することはない」と考えている。アメリカだって同じだろう。
水の世界、健康の世界、トリムイオンを取り巻く環境も似たり寄ったり。結果、病人は増え続け、医療費は拡大し続け、国家財政は破綻の坂を転がり落ちている。
まあ、国家財政の破綻だって、そのうち誰かが何とかしてくれるさ、と高を括っている。しかし、高を括っている先に大きな落とし穴が待っていることは間違いない。
「良いこと」の普及は難しく、どうでもいいものはあっという間にブームとなって広がっていく。まったく、この世の中はひねくれている。
⇒
宇井純プロフィール
⇒ 三菱樹脂2002年環境報告書

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