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松坂、再び“背信投球”にガックリ
2007年10月16日
カルロス山崎
松坂は会見に姿を見せず
試合後の記者会見。ジェイコブス・フィールドの一塁側スタンド下にある会見場に、敗戦投手となった松坂大輔が姿を見せることは(予想通り)なかった。通常、最初に来るのは敗戦チームの監督である。レッドソックスのテリー・フランコーナ監督は、無死満塁のチャンスを生かせず無得点に終わった2回の拙攻について「極めて重要なポイントだった」と振り返り、その裏、ケニー・ロフトンに先制の2ラン本塁打を浴びた松坂については「(4回2/3で)101球か。多かったな。カウントを悪くする場面が多かった。ロフトンへの投球は、明らかな失投だった」と、松坂に対して、今季最も厳しい評価を下した。
このころ、松坂はクラブハウスの片隅で、ロッカーに向かって固まっていた。左隣のマニー・デルカーメンがシャワーから戻ってこようが、あるいは、私服に着替え終わった右後ろのケビン・ユーキリスが、大勢の記者に囲まれようとしていても、松坂はひじ掛け付きのいすに腰を深く下ろしたまま、両手は頭の後ろで組んだまま動かなかった。とにかく、気持ちの整理がついていない状態のようだった。
ボールは走っていたが…
そのずっと後ろに、アイシングをしたままのジェイソン・バリテックが、自身のロッカーに戻ってきた。彼はまず、序盤の拙攻を悔やんだ。
「チャンスをつくってはつぶす、その繰り返しだった。個人的には(無死満塁で迎えた)2回の第1打席(浅いレフトフライ)が残念でならない。ダイスケはボールが走っていて、打者がバットを折る場面もあったし、とても良かった。でも、いくつかの場面でちょっとしたミスがあって、それが失点につながってしまった」
米国人記者にとっても、前回のエンゼルス戦に続いて、4回2/3で降板した松坂のコメントは必要不可欠なものだったが、コメントは広報を通じて発表されただけで終わった。
「ごらんの通り、先に点を許してしまい、点を許してからも粘ることができませんでした。どうしても勝って、いい形で(明日の第4戦に先発する)ウェイクフィールドにつなぎたかったです」
役割を果たした岡島
本来なら、リードした展開でマウンドに送り込みたかった岡島秀樹ではあるが、これ以上のリードは許されないという状況の7回に3番手で登板。1回1/3を無安打無失点、1四球と役割を果たした。
「負けられない場面で、(相手の)勢いを止めることが僕の役目。1点も与えられないところで自分のピッチングができた。日本シリーズで投げていますし、大事な場面では日本での経験が生かされている」と、堂々のピッチングを見せた。しかし、レッドソックスの攻撃陣は7回裏、ジェイソン・バリテックの2ラン本塁打による2点止まり。「いつか打線が爆発してくれることを信じて投げています」という岡島の願いは届かなかった。
流れはインディアンスか
無死満塁で無得点、過去2カ月以上本塁打が出ていなかったロフトンによる先制本塁打、(レッドソックスの)3度の併殺打、マイク・ローウェルのレフトポール際への大ファウル。一つひとつのプレーを振り返ると、試合の流れはインディアンスの方にあっただろう。だが、指名打者トラビス・ハフナーが“足”で稼いだ併殺崩れの3点目こそが、勝負を分けたポイントだったと思う。松坂が「粘ることができなかった」と悔やんだこの場面。一死一、三塁でセカンドゴロを放ったハフナーは、打球を目で追うことなく、あごを引いて、一塁ベースの手前の角をめがけて全力疾走した結果、ギリギリのタイミングで4−6−3の併殺を逃れることができたのだ。
このシリーズ、現時点では第5戦までは確実に行われることになっているが、レッドソックスがワールドシリーズに出るためには、少なくともボストンでの第6戦を行う必要がある。どうしてもシリーズの流れを変えたいレッドソックス。一気に勝負を決めたいインディアンス。そして、このままでは終われない松坂大輔に、次の登板機会は訪れるのだろうか。西武時代の先輩で、兄のように慕っている松井稼頭央がワールドシリーズという最後のステージで待っているのだが――。
<了>
■カルロス山崎/Carlos Yamazaki
大阪府高槻市出身。これまでにNACK5、FM802、ZIP-FM、J-WAVE、α-station、文化放送、MBSラジオなどで番組制作を担当。現在は米東海岸を拠点に、スポーツ・ラジオ・リポーター、ライターとして、レッドソックス、ヤンキースをはじめとするMLBや、NFL、NHLなどの取材活動を行っている。MLBでは『月刊メジャーリーグ』などにも寄稿
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