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提橋和男の新☆管理人のつぶやき 1021
ムエタイ伝説(16)
ブアカーオ・ブラムックが行く
最初にムエタイの話題ではなく日本柔道の危機について触れる。国際柔道連盟の理事改選で山下氏が落選。直後に開催された「世界柔道選手権」で日本選手が不可解な判定で敗れた。国際試合で柔道が柔道でなくなる日が来る。柔の心が踏みにじられて行く。これからは国際式の「JUDO」と国内の伝統を守った「柔道」の二本立てとなるだろう。
実は柔道に起こったことと同じことを日本は、タイ国の伝統的格闘技「ムエタイ」に対して行ったのである。
ムエタイは立ち技の格闘技としては世界最強と言われている。このムエタイルールと空手の技を取り入れたのがキックボクシングである。そしてキックボクシングがタイ国に殴りこみを賭けた。それが藤原敏男であり沢村忠であった。彼らは強かった。
藤原はラジャダムナンスタジアムのライト級チャンピオンの座についた。78年3月18日のことである。(後楽園ホール)
初防衛戦は同年6月7日ラジャダムナンスタジアムで行われた。
タイ側は伝統を守るために2大スタジアムすなわちルンピニースタジアム、ラジャダムナンスタジアムのライト級からシープレー・ガイソンポップを挑戦者に選んだ。
結果はシープレーの判定勝ちで王座はタイ国にもどった。しかしこの時のシープレーの心理はどうだったであろうか。母国の栄誉のために勝利を義務付けられ、敗れれば選手生命を失う(外国人に敗れたチャンピオンは永久追放)というプレッシャーを背負っての試合だった。さすがに立ち上がりはガチガチだったが試合が進むにつれ得意技の膝蹴り連打で藤原を攻め立てた。判定は微妙だったと私は思うが、しかし藤原はシープレーを倒せなかった。倒されなかったシープレーも凄かったということだ。
日本柔道の「世界柔道選手権」惨敗はいかに判定に疑問があろうと、それはいい訳だろう。シープレーの必死の試合を見るにつけそのことを強く感じる。
今、ムエタイ戦士は国内のムエタイのほかにキックボクシング、K−1と異なるルールで試合をしなければならない。日本から学んだことがムエタイの伝統に生かされているのだろう。最強戦士としてムエタイ戦士がリングにあがるようになった。
ブアカーオ・ブラムックはK−1MAXの最強チャンピオンとして君臨している。タイ国の栄誉を担って・・・。
K-1 WORLD MAX 2007〜世界一決定トーナメント開幕戦〜
| 第8試合 トーナメント開幕戦 3分3R延長1R |
○ブアカーオ・ポー.プラムック
(タイ/ポー.プラムックジム) |
3R判定 3−0
(30-28、30-27、30-28) |
●ニキー・ホルツケン
(オランダ/ゴールデングローリージム) |
■試合の見どころ
スカンジナビア予選を全試合KOで勝ち抜き、開幕戦の出場権を手に入れたニキー。かつて“地獄の風車”と呼ばれ、タイで活躍したラモン・デッカーの教えを受ける新鋭は、どこまでブアカーオの牙城に迫ることができるのか?
2連覇を目指すブアカーオのスタートダッシュにも注目が集まる。
■試合経過
1R ニキーはジャブからローで先に仕掛ける。ブアカーオも左ローを返していく。ニキーはさらに左ボディーから右ローキック。ブアカーオはやや横を向く。ブアカーオは左手で距離を取り左右のローを繰り出して様子見する。ニキーのジャブはリーチとスピードがある。ブアカーオは前へ出るとガードを固めるニキーを押してハイを繰り出す。ニキーが右ローを当てると、ブアカーオは左ローを当て返す。次第にブアカーオのローのヒットが勝り、ニキーはやや体をくの字にしてしまう。ブアカーオはニキーのジャブをヘッドスリップでかわしている。
2R ブアカーオはこのラウンドも左手を伸ばして距離を測る。これを振り払うように前へ出たニキーは右アッパーを当てる。ブアカーオはすぐに首相撲で抑えると、そこから押し離して左フックを振るう。ブアカーオは前蹴りをニキーに当てて距離を調整する。さらに右ローもたたき込むブアカーオ。ニキーは左フックとアッパーを振るう。少しでも距離が開くとブアカーオはミドルを打ち込んでいく。そして距離が近づくとニキーのボディーにひざ蹴り。左ボディーから左ロー、左ミドルとブアカーオの攻撃は止まらない。前蹴りが効き、ニキーはガードが前方に固まってくる。ブアカーオは左前蹴りを止めずに繰り出しさらに左ロー、右ローと蹴りつける。ニキーの左フックは空を切り、逆にブアカーオの右ストレートからローを浴びる。ブアカーオは終盤ラッシュをかけ、左フックから思い切りのよい右ローを浴びせる。ブアカーオが手玉に取るよう圧倒する展開となる。
3R ブアカーオは左手でニキーをプッシュする。さらに足を腹ってニキーを転倒させる。ブアカーオはニキーのパンチをかわし、ひざを当て、首相撲になっても左右にコントロールする。ブアカーオは自在に距離を詰めてひざ蹴り、前蹴り、ミドルと攻撃を加える。ダメージとスタミナ切れで、すでにニキーに倒すだけの力はないか。ブアカーオは身をすぼめて接近すると肩でニキーを押して距離を作り、ジャブと前蹴りをたたき込む。ニキーが力を込めて振るってくる強打を決して被弾を許さない。ブアカーオの姿はあたかもニキーをもてあそんでいるようにすら見える。
判定30−28、30−27、30−28の3−0でブアカーオ。連覇へ向け死角のなさを見せつけた。
■試合後のコメント
▼ブアカーオ 「余裕があった」
――試合の感想は?
少し危ない場面があったので、ホッとしている。
――危ない場面はいつ?
全部のラウンドで少しずつあった。
――相手の印象は?
いい選手だと思う。今日は自分が相手だったが、他の選手と対戦していたらもう少し違っていただろう。
――思ったより強かったのか
いや、まだ余裕があった。
――内容的には満足?
勝てたので満足している。
――決勝大会までの予定は?
まだ予定は決まっていないが、決勝戦に向けてトレーニングしていきたい。ビデオを見て欠点を強化したい。
――ライバルは?
それぞれ強くなっている。今の段階では分からない。
▼ホルツケン 「ベストは尽くした」
――試合の感想は?
ベストは尽くした。ブアカーオに動きを封じ込められてしまった。次は努力してもっといい試合がしたい。
――いいパンチを当てていたように見えたが?
いいパンチを何発か当てたが、それ以外は逃げられてしまった。初めてのK−1で、しかも相手がチャンピオンということで緊張してしまった。
――ブアカーオの優れている点は?
全体的に優れていた。チャンピオンとしての経験があった。自分は1発KOを狙いすぎた。次は試合の流れを読んで攻撃していきたい。
――もう1度K−1のリングに上がりたいか
ぜひ戻ってきたい。
K-1 WORLD MAX 2007 〜世界最終選抜〜
| 第7試合 |
○ブアカーオ・ポー.プラムック
(タイ/ポー.プラムックジム) |
3R判定 3−0
(30-27、30-28、30-27) |
●アンディ・オロゴン
(ナイジェリア/チームオロゴン) |
■試合の見どころ
K−1第3戦のアンディが死角の見当たらない“絶対王者”ブアカーオに決死の挑戦。小比類巻を倒したノーモーションで伸びのある右ストレートはブアカーオをとらえることができるか。あるいは木っ端微塵(みじん)に粉砕されてしまうのか。
■試合経過
1R ブアカーオはガードを高く掲げてにじり寄る。アンディは左ジャブを伸ばしてけん制する。何度も左ジャブを伸ばすアンディ。ブアカーオはややアンディの左をやや嫌そうにするが、すぐに右ロー、左ミドルとつないでいく。アンディは左ジャブから右ストレート、アッパーとつなげようとする。ブアカーオの左フックを頭を振ってかわすアンディだが、クリンチするとすぐブアカーオに投げ飛ばされる。ブアカーオは前蹴りを飛ばし、右ローを当ててアンディを追っていく。ブアカーオに前蹴りを飛ばされ近づけないアンディ。
2R アンディはワンツーからアッパーと飛ばしていくが、ブアカーオはエンジンがかかり始め、左右のローでアンディの体を泳がせる。ブアカーオは左右のローで足を止め、アンディをロープに詰めるとひざ蹴りをボディーに送る。コーナーから出られなくなったアンディはブアカーオの右ローにさらされる。右ストレートを振るっていくアンディだが、これを警戒したブアカーオは前蹴りも織り交ぜ、距離を詰めさせない。アンディをコーナーに詰めたブアカーオは前蹴り、ボディーストレート、ひざ蹴りと攻撃をまとめ、スタミナを削り取る。コーナー、ロープを背負い、徐々に成す術がなくなってくるアンディ。
3R ブアカーオは前蹴りでアンディを突き飛ばし、右、左とローを見舞っていくが、これがアンディの股間(こかん)に入ってしまい、1分間のインターバルが取られる。再開。アンディはストレートをワンツースリーフォーとまとめるが、腕を前に伸ばしたブアカーオのガードに阻まれる。ブアカーオはのっしのっしと前進し、前蹴り、左ミドル、左ハイと飛ばしてくる。アンディはブアカーオの左ミドルをスウェーでかわしてみせる。ブアカーオの右ロー、左ローに苦しげな表情を見せるアンディだが、倒れない。しかし、クリンチで組みつくとブアカーオに投げ飛ばされてしまう。コーナーに詰め、ワンツーからひざ蹴りを振るうブアカーオだが、アンディはフットワークを使い窮地を脱する。アンディは立ち続ける。試合終了のゴングが鳴るとアンディは笑顔を浮かべて自軍コーナーへ歩いて帰り、そこで大の字となる。
判定は30−27、30−28、30−27の3−0でブアカーオ。猛攻にさらされたアンディだが、耐え続け、ブアカーオのミドルをスウェーでかわすなど高いセンスと技術を見せた。
■試合後のコメント
▼ブアカーオ 「勝ててうれしい」
――試合の感想は?
勝ててうれしい。
――効いたパンチはあったか?
あった。顔にいいパンチを受けた。
――アンディ選手は思ったより強かったか?
何とも言えないが、技術は向上していると思う。
――アンディ選手はこれからもK−1でやっていけると思う?
それは彼の気持ちと、どれだけ練習するかによると思う。
▼アンディ 「また1からやり直したい」
――試合の感想は?
負けました。それだけです。また1からやり直したいと思います。試合前は勝ち負け関係なく幸せなので、自分自身は満足しています。
――急所への攻撃は大丈夫か?
今は大丈夫です。お兄さんが病院を用意してくれているので、産婦人科の先生にしっかり見てもらいます。
――今後については?
100万年やってもブアカーオさんには勝てないと思いますが、これからもいろんなことで挑戦していければと思います。
★ブアカーオ・ブラムック
MAXの絶対王者として君臨するブアカーオは、04年に初参戦を果たすと、そのまま一気にチャンピオンベルトを奪取。決勝戦では前年度の覇者、魔裟斗の連覇を打ち砕いた。05年も順当に決勝まで勝ち進むが、サワーに敗れ連覇を逃してしまう。だが、06年の決勝戦でサワーにリベンジをはたし完全優勝を収め、MAX史上初となる2度目の王座に付いた。華麗な足技に加え、パンチの技術を磨き、進化を続け絶対王者と呼ばれるまでになったブアカーオ。前人未到の2連覇を目指し、07年のMAX世界大会開幕戦をアッサリと突破。世界大会決勝トーナメントでは、魔裟斗からの逆指名を受け入れ一回戦(準々決勝)での対決が実現した。ブアカーオが連覇できるか注目が集まる。
■所 属 ポー.プラムックジム/猪木軍
■生年月日 1982年5月08日
■出身地 タイ
■身長 174cm
■体重 68.0kg
■バックボーン ムエタイ
■ニックネーム
■入場曲
■主な獲得タイトル ・ルンピニースタジアムライト級第2位
・オムノーイスタジアムライト級チャンピオン
・TOYOTAムエタイマラソントーナメント140ポンド優勝
・元タイ国プロムエタイ協会フェザー級チャンピオン
・元オムノーイスタジアムフェザー級チャンピオン
・K-1 WORLD MAX 2004 王者
・K-1 WORLD MAX 2006 王者
■対戦成績 K-1 : 21戦/19勝/2敗/4KO
◆’78.6.7 ラジタムナンスタジアム
▼ラジタムナンスタジアム
ライト級チャンピオン
藤原敏男 |
VS |
同級1位
シープレー・ガイソンホップ |

シープレーのミドルキック |
 シープレー得意の膝蹴り |

シープレー得意の膝蹴り |
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