提橋和男の新管理人のつぶやき
(2006/12/27)

提橋和男の新☆管理人のつぶやき 958-2

活躍する女性像(59)

女子ホッケーは「北京の先」を目指せ(1/2)

2004年08月27日
(文=梶原弘樹)

■初出場の五輪は2勝4敗

今大会、日本選手と世界レベルの選手との体力さを感じるシーンが度々見られた。

「4年後に向けてはですね、『チーム一丸』ではなく『協会一丸』にならないともうひとつ上には行けないと思います」

  26日に行われた7−8位決定戦で、韓国に敗れた直後のミックスゾーン。周りには悔し涙にくれる選手たちもいた。そんな中で、安田善治郎監督は静かに今大会の総括を始めた。

  初めて出場したオリンピックは、世界ランキングが自分たちより上のチームばかりとの対戦となったが、2勝(4敗)した。ペースを握っていた初戦の中国戦に勝っていれば……などと後悔すればきりがないが、一応の満足感はうかがえた。しかし一方で、課題もはっきりした大会であった。

  チーム全員、「ホッケーをメジャーなスポーツにしたい」という合言葉で臨んだアテネオリンピック。その現状と課題を総括する。


■見えた日本の戦術の限界

  オリンピック関連ガイド誌の女子ホッケーチーム紹介記事は、判で押したように「堅守速攻のチーム」と表現していた。相手のボールを奪ったら手数をかけずに素早く逆襲し、得点に結びつける。それが見事にはまったのが、3月に行われたオリンピック予選だった。

  このチームの「速いパス回し」は、ほぼ約束事のように横パスから入る。「もっとセンターフォワードに縦パスを出してもいいのに……」というシーンでもそうする。なるべくワイドに攻撃して相手の守備陣を横に間延びさせ、そこに隙を作ろうというわけだ。戦術的にどうかというよりも、体の強い欧米のチームのディフェンスにほころびを作るには、こうするしかなかったと言える。

  しかし、今大会で突きつけられた課題は「その戦術だけでは限界がある」ということだった。ゴール前までは何度も良いシーンを作る。中盤からの構成力は、決して世界のトップ5に引けをとらないのだが、最大の違いは「ゴール前の迫力」だ。線の細い日本の選手たちがいっぱいにスティックを伸ばしても、簡単に相手の体を入れられてしまい届かない。そんなシーンが繰り返し展開された。

■グラウンドの外で歴然としている韓国との差

  「ゴール前で迫力のある選手を育成する」ためにホッケー協会は何をすべきだろうか? その答えを探すカギが、この日対戦した韓国の強化方針にある。

  韓国と日本を比較すると、ホッケー人口自体は断然日本の方が多いそうだ。それなのに、韓国は世界ランキングで、常に日本より上位にいる。関係者の話では、韓国では協会直轄のトレーニングセンターがしっかりしていて、ジュニアの世代から強化合宿を繰り返しており、常に40〜50人の代表候補選手が切磋琢磨しているのだという。事実、5月に日本で行われた対抗戦(高円宮杯)で日本に敗れた後、韓国のメンバーはがらりと入れ替わった。底辺は少なくても、トップチームの強化方針は一貫しているのだ。

  レギュラーが決まっていて、繰り返しパターン練習を繰り返しながら、やっとのことで世界レベルと戦ってきた日本と、トップランクの選手層の厚さという面で差は歴然としている。<続く>

女子ホッケーは「北京の先」を目指せ(2/2)

2004年08月27日
(文=梶原弘樹)

■才能を発掘し、少数精鋭で徹底的に鍛えよ!

最終戦の韓国に敗れ涙した三浦主将。彼女やメンバーたちの涙が笑顔に変わるのはいつに?

今回オリンピック初出場した女子ホッケーチームには、話題性もあり、スポンサーがついたりもした。さらに2勝したこの結果から、日本オリンピック委員会からの強化資金が増える可能性もある。問題はそれらを何に使うかである。

  6試合を観戦して痛切に感じたのは、「体力的に強い選手を育成する必要性」だった。これは待っていても育ってくれるとは限らない。つまり、「獲りに行く」しかない。

  協会関係者は焦る必要がある。なぜなら、今回のオリンピックは女子のボールゲームが花盛りだったからだ。どれも成績は芳しくなかったものの、サッカーやバレーボール、ソフトボールは民放のテレビ局で生中継され、きっと若年層の女の子たちの心をつかんだことだろう。オリンピックが競技を始めるきっかけになることは、自明のことだ。

  強化費用の増加を果たすことができたとしたら、無駄なことにお金を賭けず、「若年層の人材発掘」をもっと積極的に行い、そこに資金を割いたらどうであろうか。10歳代そこそこで体力的に強い子をホッケーに誘い、協会直轄で鍛える。黙っていたら、他競技に人材をとられていってしまう。その前に、ホッケーの楽しさ、魅力を教えて引き込むのだ。

■“北京五輪のもっと先”を見据えた強化を

  気の早い記者たちは「北京五輪に向けて、課題は何ですか?」と、各選手に聞いて回っていた。しかし、男子サッカーの強化でもJリーグ発足から約10年の時間を必要としたように、若年層が花開くには、10年くらいのスパンでの強化を考えなくてはならない。次は「出場しただけ」でなく、メダルに絡む成績を残さないと、いつまでも「マイナーなスポーツ」で終わってしまう。

  このアテネオリンピックで、強化のポイントも明快になった。あとは協会が、2008年のその先、2012年の大会へ向けて、少しばかり遠回りする勇気があるかどうかだと思う。「急がば回れ」である。<了>

<2006年アジア大会写真>

小野真由美(石動高校3年時 富山選抜) 小野真由美(石動高校3年時 富山選抜)
小野真由美 小野真由美

  千葉香織