提橋和男の新管理人のつぶやき
(2006/10/16)

提橋和男の新☆管理人のつぶやき 932

パ・プレーオフ第1ステージ第2戦
       松中男泣き 逆王手! 勢いつけた!!


松中男泣き

 涙の「逆王手」だ。がけっぷちに立たされたホークスが、西武に大勝して生き返った。過去2年のプレーオフで大ブレーキになった松中信彦内野手(32)が、3安打5打点と汚名返上の大活躍。9回には9月2日以来となる復活弾も放ち、試合後のインタビューで感極まって男泣きした。王監督も「これで一丸になれた」と大喜びの打線爆発で、第1ステージは1勝1敗のタイだ。きょう9日、最終決戦でライバルを粉砕して、日本ハムの待つ札幌に乗り込む!

 泣くには早い。分かっているのに、勝手に涙があふれてくる。敵地に響き渡った試合後のインタビュー。「9回? ファンの皆さんには、ものすごく…がっかりさせて…。ものすごく…」。マイク越しに何度も言葉をつまらせた松中を大歓声が包み込んだ。

 4点リードの9回2死一、三塁。自らの2本の適時打もあり、この時点でほぼ「逆王手」はかかっていた。が、シーズン3位に終わる原因となった極貧打線に、余裕などない。「チームに勢いをつけたかった」。9月2日以来、36日ぶりの3ラン。シーズンで8年ぶりに20号に届かなかった主砲が、指を突き立て、完全復活を宣言した。

 2安打しながらも、松坂に完封負けを食らった第1戦。窮地に立たされた松中は、宿舎に戻ると若手を集めてゲキを飛ばした。「追い込まれたらバットを短く持て」。チャンスで裏切り続けてきた4番の、下手をすれば反発すら招きかねない行動。それでも、強い決意は揺るがなかった。

 「有言実行。4回は仲沢が頑張ってカバーしててくれた。だから、次は何としても自分が決めてやるつもりだった」

 9回2死一、三塁、松中が右中間に
 3ランを放ち、ガッツポーズ

 1点差に迫られた6回1死三塁、試合の流れを決定づける値千金の適時打。前の打席の4回1死一、三塁では、犠飛すら打てなかった。あわや戦犯になるところで、仲沢がカバー。「今年は苦しかったけど、みんなで戦わないと勝てない」。切なる訴えに応えた後輩の思いを、無駄にするわけにはいかなかった。

 王監督が戦線離脱した7月5日以降、これが初の猛打賞。シーズン最後の10試合で打点を挙げられなかった4番が、今季最多の5打点だ。病と闘う王監督を、励ますどころか悩ませ続けたこの3カ月。心身ともにボロボロになった時、救いの手をさしのべてくれたのも王監督だった。

 シーズン最終戦を観戦するため、王監督が福岡入りした9月28日。選手サロンで、2人っきりになって言われた。

 「水面にさざ波が立っていたら、お月さまは見えないだろう? 人間も同じだ。気持ちを落ち着かせて打席に立て。そうしないと、お月さまは見えないんだから」

 どっしり構えることを思い出した松中が、貧打線を目覚めさせた。2ケタ得点は、王監督が病室を抜け出して千葉までゲキを飛ばしにきた、8月29日以来だ。「短期決戦で打ちたかった。最後に福岡で王監督を胴上げしたい」。マイク越しにこぼした本音を、大歓声も拍手で受け止めた。

 「泣いた? ちょっと早かったですね。でも今日はこれで終わり。勢いもついたし、切り替えて明日です」。球団関係者に届いた、王監督のメッセージは「これで一丸になれたな。明日も期待できる」だ。主砲とともに、土壇場でよみがえった結束力。早すぎた涙をぬぐって、まずは今日、全力で獅子を倒す。 (山本泰明)

=2006/10/09付 西日本スポーツ=
[ 10月9日 10時37分 更新 ]

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