提橋和男の新管理人のつぶやき
(2006/3/23)

提橋和男の新☆管理人のつぶやき 845-2 

広岡達朗氏告発
王監督とイチローを犠牲にした、無策NPB(日本プロ野球組織)
誤審発生の時になぜコミッショナーは即座に厳重抗議しなかったのか

王ジャパンはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次リーグを1勝2敗で終えた。敗因は選手個々のモチベーションやチーム編成の問題が挙げられているが、野球評論家の広岡達朗氏(74)はNBC(日本プロ野球組織)の責任を鋭く追求する。結果的に日本球界の至宝である王監督とイチローをWBCの犠牲者にしたというのだ。

身を乗り出すようにして戦況を見守る王ジャパンのメンバー。WBC2次リーグは1勝2敗だった。(AP)

指導力に疑問のコーチの代わりをつとめて打撃を崩したイチロー
選手集めまで王監督に押しつけた

WBC開催で改めて私はNBC、ならびにプロ野球コミッショナーに失望した。シーズン開幕直前というナンセンスな開催時期に異論を唱えていたとはいえ、最終的にはMLB(大リーグ機構)の要求をのんだ。そのうえ米国戦での誤審では、いまだコミッショナーは何もしていない。あんなバカげた判定をされて、なぜ黙っているのか。
それこそ即座にコミッショナーが厳重抗議すべきだろう。「適切な対応をしなければ代表チームを引き揚げさせる。謝罪がなければ今後一切協力できない」と、どうして強硬に主張しないのか。コミッショナーが毅然とした態度を取ったうえで落としどころを探りながら折衝していかなくてはならないのに。日本の立場をきちんとアピールしないからバカにされるのだ。

こうしたNPBの姿勢が今回の敗退にすべてリンクしている。代表選手の選出方法、監督以下首脳陣の人選しかり。王監督自らが頭を下げて選手集めをするのは筋違い。
本来、監督の意向を踏まえてコミッショナー名で各球団から半ば強制的に集めるものだ。また、なぜソフトバンク監督である王監督に代表チームを預けたのか。
自軍のチームの指揮を放棄させて日の丸を背負わせることが、どれだけ王監督の負担になるのか分かっていない。現役監督でなく、在野のプロ野球OBの中から選出すべきだろう。もっとも、残念ながらその適任者がいない。それなら少しでも王監督の負担を軽減させるスタッフを揃えなけくてはいけなかった。ところが集められたコーチたちは、どうして選ばれたのか理解に苦しむ顔ぶれだ。だいたい優秀なコーチたちなら各球団が放
っておくハズがない。どこからもお呼びがかかからないコーチたちを集めたからこそ、王采配にも微妙に影響が出た。
16日(日本時間)の韓国戦、9回一死一塁の場面で広島・新井が代打に起用された。王監督は一発に期待したのだろう。
しかし、やはり新井には荷が重すぎた。結果論とはいえ、あの時ベンチには西武・和田が残っていただけに、あの采配は悔やまれてならない。イヤらしいバッティングをする和田なら、あの局面で別の展開になったと思うからだ。

采配を振るうのは監督だ。それでも監督はオールマイテイではない。だからこそコーチが具申する。それを踏まえて監督が決断する。王ジャパンのコーチたちは果たしてどこので物申したか。
たぶん新井を代打に出すときも、コーチたちは何も言わなかったと思う。こんなコーチ陣を押しつけられて、何もかも自分でやらなければならなかった王監督が気に毒でならない。
イチローもまた犠牲者だ。王ジャパンの中でもひときわモチベーションが高く、リーダー格としてスインに細かい指示まで出してチームをまとめ上げることに腐心していた。おそらくコーチたちは選手に何一つ的確な指示を出せなかったのだろう。本来コーチがすべき仕事を肩代わりしたせいで、イチローは完全に自身の打撃を崩してしまった。これからメジャー開幕まで2週間あまり。元のフォームに直すのは、さすがのイチローにNBPは何も報いることはない。五輪の金メダリストにも言えることだが、世界のトップに立ってもらえる名誉などタカが知れている。
将来を保証されるどころか寄ってたかって見世物にされ、周囲に利用されるのがこの国の”待遇”だ。
NBPも代表チームの栄誉を称え、それに見合う対価を用意することもない。プロ野球の歴史を築いてきたOBたちにも敬意を払わないNBPだ。選手たちの命がけの戦いを強いることなどできない。

もっとも億万長者の日本代表選手にはハングリー精神といったものは宿らない。裕福な人間は命がけの勝負に挑まぬものだ。一方、兵役免除という大きな特典をぶら下げられた韓国は終始真剣だった。目的意識が明確な韓国ナインの必死さがどこの国よりも上回り、上位に勝ち進む原動力になったのではないか。

妙な首輪の日本選手は笑い者
日本といえば、まず選手個々のコンディションが揃っていない。万全に調整してきた選手もいれば、7割程度でチームに合流した者もいる。大会会期間中に故障で途中離脱した選手もいたが、これは不真面目以外の何ものでもない。自覚の問題だ。
しかも、選手たちは髪を染め、変てこな髪型、妙な首輪までぶら下げていた。そんな姿が現地でバカにされいるのも気づいていない。だからなのたろう。韓国ナインの清潔さが際立った。

とりあえず問題の多かったWBCに参加して、改めて日本球界の堕落ぶりが再認識された。NPBは大いに反省すべきだろう。今後もWBCを継続させるなら、NPBはきちんと主義主張を米国側に突きつける。せめてそれくらいしないとバチがあたるというものだ。(野球評論家)

=3/18東京スポーツ=

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